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青木 睦【アーカイブズ保存DAYS】紹介 [研究の紹介]

アーカイブズ保存修復DAYSの作成者 青木睦の紹介
青木睦-大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国文学研究資料館 准教授
☆☆☆-アーカイブズ保存科学専門
☆☆☆-総合研究大学院大学 文化科学研究科 准教授

アーカイブズ学の特徴は、その研究対象の広さにあります。取り扱う記録史料の種類は、国の行政文書から民間企業や個人の記録にまで及び、記録の媒体も、粘土板から紙、磁気ディスクまで実に多様です。
 さらに、地球的な規模で急速に進みつつある情報化の波にアーカイブズの世界も呑み込まれざるをえません。伝統的な紙記録に加えて新しい電子媒体記録が次々に登場し、情報の発生量は幾何級数的に増大し、情報の交換や保存の方法も、これまでとはまったく異なる電子的な手法が広まりつつあります。
 このような状況のなかで、過去から現代にいたる多様かつ膨大な記録史料の保存・活用システムを効果的に築き上げていかなければなりません。

☆青木睦のアーカイブズ保存科学研究では、アーカイブズ学として、日本の「文書館」「公文書館」におけるアーカイブズの保存のための物理的コントロールを中心的に研究しています。
 アーカイブズ保存の目的は、アーカイブズの物理的原形をできる限り維持し、永続的に歴史的文化的資源として広く利用可能なよう、適切な保存・公開のシステムを構築することです。
 アーカイブズ保存の基本的な方針として、個々の史料からではなく、史料群としてのあり方、群としてのマトマリを重視して、これを物理的コントロールの対象としています。
 したがって、アーカィブズのさまざまな保存の課題に取り組む場合、建物と保存環境管理、史料群のロケーション、史料群ごとの保存措置の現状、そして個々の史料の劣化状態・修復状況・記録媒体(記録素材・記録定着媒体・記録形状)調査・利用状況、という順序をたどります。成立年代も記録媒体も異なる様々な個性を持つ史料が混在する史料群をどのように保存・公開していくかについては、群から個への順序を以て保存計画を立て、それを達成するという考え方です。

☆総合研究大学院大学 文化科学研究科 日本文学研究 資源集積論Ⅱの講義内容
 文化資源として集積された様々な蔵書や記録資料群を対象に、そのモノの科学的資料分析と技術、体系的な資源管理のあり方について考察します。
 具体的には、多様な原資料である文化資源の主たる組成である紙の繊維組成の分析を主に、複合材質や形態に関する測定と解析・蓄積、さらに物理的保存・修復の方法と技術について考究します。合わせて、記録紙に関する製造と流通の特質について論じます。
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池上線沿線

更新を楽しみにしています。
by 池上線沿線 (2009-06-23 10:40) 

小田急線沿線

アーカイブズに関する最新の情報を期待しています。
by 小田急線沿線 (2009-06-27 20:53) 

利用者

国文学研究資料館の史料は、旧国立史料館時代から閲覧しています。是非このブログででも、所蔵史料の紹介もしてください。
by 利用者 (2009-06-28 21:04) 

あ金子

青木先生の講習を職場の相棒にも勧め、趣旨を反芻しております。
以下の状況で簡便な判定・処理方法をご案内いただけると幸甚です。
(1)今年、二次大戦後から十数年間に作成のガリ版刷り冊子を、史料評価は未了ですが受入れました。すでに紙は黄土色~うす茶色、厚さ5mm~製本済3cmのものが各々約十冊ロットの状況です。
(2)営業倉庫も利用していますが、I文書移管用ダンボールのII内箱として中性紙袋か小箱を用意し、III数冊毎に袋か箱に入れて、今後10~15年は持つでしょうか?、(別のダンボール内で紙片の欠落を体験済です)。
(3)前記の史料評価や、将来の利用見込み、予算が不確定のため、脱酸対応は慮外ですが、(2)のI~IIIより、上記II袋・箱のみで通常空調の事務室キャビネット留置のほうが良いでしょうか?。
以上、見た目の判定や、手軽な酸化防止法をお示しいただけると幸いです。

by あ金子 (2009-08-28 12:57) 

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